
若手社員の早期離職防止や育成において、「上司や先輩の指導力」は常に議論の対象となります。しかし、当の若手社員自身は上司にどのような関わり方を望んでいるのでしょうか。
体験型イベントや研修事業を手がける株式会社IKUSAが実施した「新人・若手の早期離職に関する実態調査(社会人1~3年目の若手400名対象)」によると、理想の上司像のトップは「実績や指導力」ではなく「人間性を認めてくれる」ことであると分かりました。

本記事では、この調査結果をもとに、現代の若手が求める上司像や職場環境、そして定着率を高めるための具体的な取り組みについて詳しく解説します。
理想の上司像1位は「人間性を認めてくれる」―指導力よりも承認がカギ
理想的だと感じる上司・先輩像を尋ねたところ、最も多かった回答は「人間性を認めてくれる(32.8%)」でした。

- 1位:人間性を認めてくれる(32.8%)
- 2位:的確なアドバイスをくれる(29.5%)
- 3位:感情を受け止めてくれる(27.0%)
- 4位:普段から自分を見てくれている(22.3%)
- 最下位:実践していて説得力がある(17.5%)
従来型のマネジメントで重視されがちだった「自らの背中で語る」「実績を示して背中を見せる」といった「実践していて説得力がある」は、意外にも最下位の17.5%にとどまりました。
ただし、これは若手が指導やアドバイスを不要としているわけではありません。「的確なアドバイスをくれる」が2位に入っているように、助言そのものは求められています。若手が重視しているのは、まず「個人の人柄や感情を受け止めて承認したうえで、必要なサポートをしてくれる姿勢」だと言えます。
若手社員がチームに抱く違和感「孤立感」と「相談しにくさ」
入社後にチームに対して違和感を覚えたことがある若手(317名)にその理由を聞いたところ、職場における人間関係や評価方法に関する課題が浮き彫りになりました。

- 個人プレーが評価されすぎている(28.4%)
- 上司・先輩が忙しそうで相談できない(27.4%)
- チームに一体感がない(25.9%)
チーム内での助け合いやコミュニケーションが不足し、個人成果のみが評価される環境では、若手社員は「見守られている」「認められている」という安心感を得にくくなります。上司が多忙で話しかけづらい状況も、孤立感を深める要因となっています。
離職を防ぐために必要だった取り組み1位は「チームでの対話の場」
「どのような取り組みがあれば離職せずに済んだ(済むだろう)と思うか」という質問に対しては、「チームでの対話の場(34.3%)」が最多となり、個別指導以上に周囲との対話機会が望まれていることが分かります。

- チームでの対話の場(34.3%)
- チームビルディング施策(29.0%)
- 定期的な1on1(24.5%)
- フィードバック文化の改善(18.5%)
- 明確な役割設計(15.8%)
上司と1対1で話す「1on1」の実施も大切ですが、それ以上に**「チーム全体でお互いを知り、意見を交わせる場」**が求められています。上司ひとりの力量に育成やケアを依存させるのではなく、組織・チーム全体で若手を包み込む仕組みづくりが重要です。
まとめ:チーム全体で「認め合う」環境をつくろう
今回の調査から、若手社員の離職を防ぎ定着を促すためには、以下のようなマネジメントの転換が必要であることが見えてきました。
- 「背中を見せる」ことよりも、若手社員の個性を認め、関心を持つ姿勢を示す
- 個人的な成果だけでなく、相互支援やチームワークを評価する姿勢を持つ
- 上司と1対1の対話だけでなく、チーム全体で相互理解を深めるイベントや対話の場(チームビルディング)を定期的に設ける
業務が多忙を極める日常のなかでは、お互いの人柄や価値観に触れ合う機会が少なくなりがちです。研修やチームビルディングイベントなどを上手に活用し、職場内での斜め・横のコミュニケーションを活発にすることが、若手が安心して成長できる組織づくりの第一歩となります。
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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。





