
生成AIは、もはや「試してみるツール」ではなく、商品選びや比較検討を支える情報源として定着し始めています。日本ダイレクトマーケティング学会の最新調査では、生成AIの信頼度がSNSを上回り、購買行動にも広く使われている実態が明らかになりました。

調査で見えたのは「検索からAIへ」という情報収集の変化
今回の調査では、生成AI利用経験のある20〜60代の男女1,009人を対象に、購買時の情報収集や意思決定の変化が調べられました。その結果、生成AIは単なる補助ツールではなく、検索エンジンを補完・代替する存在として使われ始めていることが分かっています。
- 検索回数やWebサイトの回遊時間が減少
- SNSより生成AIのほうが信頼されている
- 比較・検討の時短につながっている
- 商品選びの相談相手として活用されている
つまり、消費者は「検索して複数サイトを見比べる」だけでなく、AIに要点を整理してもらいながら判断する流れへ移行しつつあると言えます。
20代の約7割が購買に生成AIを活用、世代差も鮮明に
日常的な購買行動の意思決定で生成AIを活用した経験については、20代の約7割が「ある」と回答しました。一方で、年代が上がるほど活用頻度は下がる傾向が見られ、世代間の違いがはっきりしています。
使用されている生成AIでは、ChatGPTが68.9%でトップ、次いでGemini、Copilotが続きました。ChatGPTは全年代で高い利用率を維持しており、生成AIの入り口として広く浸透していることがうかがえます。
- ChatGPT:68.9%
- Gemini:52.3%
- Copilot:24.7%
年代別に見ると、若年層はClaudeや画像生成AIなど複数ツールを使い分ける傾向があり、シニア層は検索サービスやOSに組み込まれたAI機能を活用する傾向が強いようです。
生成AIを使うメリットは「時短」と「客観的な比較」
生成AIを購買に使うメリットとして最も多かったのは、「商品を探したり比較したりする時間を短縮できる」という回答でした。情報が整理されて提示されるため、判断しやすいという声も目立ちます。
なかには、「店員に相談せずに検討できる」「広告や売り込みに左右されにくい」といった意見もありました。生成AIは、単に便利なだけでなく、自分のペースで客観的に考えたい人にも受け入れられているようです。
活用の中心は検索結果のAI要約と、商品相談
具体的な使い方では、Google検索の「AIによる概要」を参考にする人が最も多く、次いで特定商品やおすすめブランドについて相談する使い方が上位でした。つまり、生成AIは別ツールとしてだけでなく、検索の延長線上で自然に使われているのです。
- 検索結果のAI要約を参考にする
- 特定の商品について相談する
- おすすめの商品・ブランドを相談する
- レビューの要点を整理してもらう
- 比較検討の軸を作ってもらう
利用カテゴリーでは食料品、旅行・宿泊、家電製品が上位でした。日常的な買い物から高額商品の比較まで、幅広い場面で活用が進んでいることが分かります。
検索回数や回遊時間は減少、一方で誤情報への不安は残る
生成AIの利用が増えたことで、検索エンジンでの検索回数やWebサイトの回遊時間が減ったと感じる人が増えています。さらに、「どれを買うか悩む時間」まで短くなったという回答もあり、購買の初期段階が効率化されていることが分かります。
ただし、課題もあります。AIが提示した内容と実際の商品情報にズレを感じた経験としては、価格情報の違いや仕様・機能の相違、情報の古さが挙げられました。とくにセール情報や更新頻度の高い商品情報は、注意して確認する必要があります。
- 価格情報が実際と異なっていた
- 仕様・機能・特典が違っていた
- 情報が古かった
信頼度はSNSより上、でも検索や口コミには及ばない
情報源としての信頼度を見ると、生成AIを「信頼できる」と評価した人は33.4%で、SNSの19.1%を大きく上回りました。逆に「信頼できない」と感じる人の割合はSNSより少なく、生成AIはSNSよりも客観的に見られていることがうかがえます。
とはいえ、検索エンジンや知人からの紹介と比べると、まだ十分に上位とは言えません。消費者は生成AIを便利に使いながらも、最終判断では慎重さを保っているようです。
消費者が生成AIに期待するのは「正確な情報源」
今後の生成AIに期待する役割として最も多かったのは、「誤情報がなく、信頼できる正確な情報源」でした。続いて、情報収集や比較を代わりに行うリサーチャー、自分の好みを理解した専属アドバイザーが挙がっています。
この結果から見えてくるのは、消費者が求めているのは「面白い回答」ではなく、安心して判断できる情報だということです。生成AIの価値は、要約や提案そのものよりも、信頼できる形で整理された情報を届けられるかどうかにかかっています。
企業に求められるのは、AIに正しく拾われる情報設計
今回の調査は、企業側にも重要な示唆を与えています。従来のSEOやSNS運用だけでなく、生成AIに参照される前提の情報発信が必要になってきたからです。
- Web上の一次情報を整える
- 商品情報を最新化する
- 構造化データを整備する
- 誤認されやすい表現を見直す
- AIに拾われても正確に伝わる情報を用意する
いわゆるLLM最適化の重要性が高まる中で、企業は「検索で見つかる」だけでなく、AIの回答に正しく反映される情報基盤を整える必要があります。
まとめ:生成AIは購買の新しい入口になりつつある
今回の調査から、生成AIは購買行動のなかで確実に存在感を高めており、検索やSNSに続く新しい情報接点になっていることが分かりました。特に若年層では活用が進んでおり、今後はより多くの世代で一般化していく可能性があります。
一方で、誤情報や情報の古さへの不安も残っているため、利用者は慎重に使い、企業は正確で更新性の高い情報を整備することが欠かせません。生成AIが「便利な検索ツール」から信頼できる購買アドバイザーへ進化できるかどうかが、今後の大きな焦点になりそうです。
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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。





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