95%の企業がAIプロジェクトを延期?Cloudera調査が示す“AIアーキテクチャの大転換”

95%の企業がAIプロジェクトを延期?Cloudera調査が示す“AIアーキテクチャの大転換”

AIの導入が広がる一方で、企業のIT基盤は大きな見直しを迫られています。Clouderaの最新調査では、95%の企業がデータガバナンスやコンプライアンス、規制対応の課題を理由にAIプロジェクトを延期または中止したことが明らかになりました。

ClouderaのAIアーキテクチャに関する調査イメージ

この記事では、調査結果の要点を整理しながら、なぜ今「AIアーキテクチャの大転換」が起きているのかを分かりやすく解説します。AI活用を進めたい企業にとって、インフラの考え方をどう変えるべきかが見えてきます。

AI活用は進むのに、なぜプロジェクトは止まるのか

調査では、対象企業の77%がすでにAIを積極活用している一方で、実運用ではさまざまな壁が立ちはだかっています。特に大きいのが、既存のデータアーキテクチャが現代のAIに十分対応できていないという点です。

企業がAIを本格導入すると、PoC段階では見えなかった課題が一気に表面化します。たとえば、データの所在が分散していたり、セキュリティや権限管理が複雑だったりすると、AIの学習や推論を安定して回すことが難しくなります。

  • データガバナンスの整備が追いつかない
  • 法規制やコンプライアンス対応が複雑化する
  • AIワークロード増加でインフラコストが上がる
  • オンプレミス、クラウド、エッジが混在し運用が難しい

AIで変わるのはモデルではなく「データ基盤」

今回の調査で特に印象的なのは、AIの導入によってデータストレージやアーキテクチャの運用方法が変化したと答えた企業が多いことです。日本でも73%が「変化した」と回答しており、AIが単なる業務ツールではなく、基盤そのものを変える存在になっていることが分かります。

また、84%の企業がAIワークロードの増加に伴ってインフラコストが上昇したと回答しました。日本でも86%が同様の回答をしており、AIは価値を生む一方で、設計が古いままだとコスト面の負担が大きくなります。

つまり、AIをうまく活用するためには、モデルの精度を上げるだけでは不十分です。データをどこに置き、どう管理し、どの環境でAIを動かすかまで含めて設計し直す必要があります。

ガバナンスがAI時代の重要インフラになる

AIの普及が進むほど、データガバナンスの重要性は高まります。調査では73%の企業が、AIによってデータガバナンスがより複雑になったと回答しました。さらに55%は、過去12か月で6件以上のAIプロジェクトを延期または中止したと答えています。

これは、単に「AIを使いたい」だけでは進められない時代になったことを示しています。どのデータが使われ、誰がアクセスし、どのようなルールでAIに供給されるのか。こうした管理体制が整っていなければ、AI活用は拡大しません。

特に、クラウド、プライベートクラウド、オンプレミス、エッジといった複数環境をまたいでデータを扱う企業では、一貫したガバナンスの設計が欠かせません。実際に97%の企業が、少なくとも月1回は異なる環境間でデータを移動していると回答しています。

ハイブリッドアーキテクチャが新しい標準に

今回の調査では、ハイブリッドアーキテクチャへの移行がはっきりと進んでいることも示されました。66%の企業が、過去1年間にAIワークロードをパブリッククラウドからプライベートクラウドまたはオンプレミスへ移行しています。

背景にあるのは、AIを「最適な場所」で動かしたいというニーズです。すべてをクラウドに集約するのではなく、性能、コスト、セキュリティ、規制対応を見ながら、最適な配置を選ぶ動きが広がっています。

  • 高い処理性能が必要な用途はオンプレミスで運用
  • 柔軟な拡張が必要な処理はクラウドを活用
  • 機密性の高いデータは制御しやすい環境で管理
  • 環境ごとの強みを組み合わせて全体最適を図る

日本でも今後のインフラ投資として、オンプレミスが35%で最多となっており、クラウド31%、ハイブリッドファースト22%と続きます。単一の導入モデルに依存しない考え方が、主流になりつつあります。

企業が今から見直すべき3つのポイント

AI活用を次の段階へ進めるには、技術選定だけでなく基盤の再設計が重要です。特に、次の3点は早めに確認しておきたいポイントです。

  • データの所在を把握し、分散環境を前提に設計する
  • ガバナンスとコンプライアンスをAI基盤に組み込む
  • ハイブリッド運用を前提にコストと性能のバランスを見直す

AI導入の成否は、モデル選び以上に、データ基盤の柔軟性と統制力で決まる場面が増えています。今後は「AIを導入する企業」ではなく、「AIを安定して最適化できる企業」が競争力を持つ時代になりそうです。

まとめ

Clouderaの調査は、AIが企業に浸透するほど、従来のデータアーキテクチャでは限界が見えてくることを示しました。AIの普及は、データ基盤の再設計を迫る大きな転換点と言えます。

これからの企業に求められるのは、データの分散を前提にしながらも、信頼性・拡張性・セキュリティを両立できるハイブリッドな設計です。AIを「使う」から「最適に運用する」へ。そんな発想の転換が、今まさに進んでいます。

参考記事

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000124537.html

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sorein

sorein 教育×ITフリーランス / 女性

小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。