
生成AIやAIエージェントへの期待が高まる一方で、実際に明確な成果を出せている企業はまだ少数派です。primeNumberが公開した「AI・データ活用実態調査 2026」では、AI活用で成果を得ている企業は16.4%にとどまり、期待値との大きなギャップが浮き彫りになりました。

AI活用の期待は高いのに、成果はまだ16.4%
今回の調査では、AI・データ活用によってビジネスに「劇的な変革」または「大きな改善」を期待する企業が64.9%に達しました。つまり、AIへの投資意欲は非常に高い状態です。
しかし、実際にAI活用で「明確な成果が得られている」と回答した企業はわずか16.4%。期待と成果の間には約49ポイントもの差があり、AI導入が広がる一方で、成果創出までは至っていない現状が見えてきます。
成果を出している企業はデータ基盤の整備が進んでいる
注目すべきは、成果を出している企業ほどデータ基盤の整備が進んでいるという点です。AI活用で明確な成果が出ている企業のうち、データ基盤を「全社で統合済み」と回答した割合は26.2%でした。
これは、その他の企業と比べて2倍以上の水準です。AIの精度や活用範囲は、モデルそのものだけでなく、入力されるデータの品質や一貫性に大きく左右されるため、データ基盤の差がそのまま成果の差につながっていると考えられます。
一方で、データ基盤が「全社で統合済み」と回答した企業は全体の13.9%にとどまりました。AIの活用が先行する一方、土台となるデータ整備はまだ十分に進んでいないのが実情です。

今後の投資はAI優先、しかし基盤投資は後回し
調査では、今後12カ月の優先投資領域として「生成AI/エージェント型AIの開発・運用」が43.4%で最上位となりました。対して、「データ統合・パイプライン整備」は21.7%、「データカタログ・メタデータ管理」は12.3%、「DWH・データレイク強化」は11.0%にとどまっています。
さらに、「生成AI/エージェント型AIの開発・運用」を優先投資に挙げた回答者のうち、60.5%がデータ統合やDWH強化、メタデータ管理を優先投資に選んでいませんでした。つまり、多くの企業でAIそのものへの投資が先行し、成果に直結しやすいデータ基盤が後回しになっている構図が見えます。

AI活用を成果につなげる鍵は「Generative Data Management」
primeNumberは、この課題に対する新たなアプローチとして「Generative Data Management(GDM)」を提唱しています。これは、データの取り込み、品質管理、メタデータ整備、ガバナンスといった継続的な運用にAIを組み込み、人・データ・AIが補完し合う仕組みを目指す考え方です。
従来のデータマネジメントは、人手によるルール運用に依存しがちでした。しかし、データ量の増加や事業環境の変化が激しい今、手作業中心の運用だけでは追いつきにくくなっています。だからこそ、AI活用の成果を高めるには、AIを増やすだけでなく、信頼できるデータを継続的に扱える基盤を整えることが欠かせません。
企業がまず取り組むべきこと
- AI導入の前に、データの所在・品質・更新ルールを整理する
- 部門ごとに分断されたデータを統合し、全社で使える状態にする
- メタデータ管理やデータカタログを整え、再利用しやすくする
- AI開発とデータ基盤整備を別案件にせず、同時に進める
- 現場任せにせず、経営課題として投資優先度を見直す
AIは導入しただけでは成果につながりません。むしろ、成果を出している企業ほどデータ基盤の整備を進めています。今後は「どのAIを使うか」だけでなく、「そのAIを支えるデータをどう整えるか」が競争力を左右するポイントになりそうです。
まとめ
primeNumberの調査からは、AI活用への期待が高い一方で、成果を生み出すための土台整備が追いついていない現状が明らかになりました。特に、成果企業ほどデータ基盤が整っているという結果は、AI活用の成否を分ける重要な示唆です。
生成AIやAIエージェントの導入を進める企業こそ、まずはデータ基盤の見直しに着手することが重要です。AIを一過性の取り組みで終わらせず、持続的な競争力につなげるために、いま必要なのはAIへの投資と同じくらい、データ基盤への投資を重視する視点だといえるでしょう。

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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。




