製造業の働き方改革で浮き彫りに。設計現場の「部品リスク確認時間不足」と品質維持の課題

製造業の働き方改革で浮き彫りに。設計現場の「部品リスク確認時間不足」と品質維持の課題
製造業では働き方改革が進む一方で、設計・開発の現場では別の課題が見え始めています。株式会社KUMU Worksの調査によると、業務時間が減少した設計・開発エンジニアの約8割が、設計段階での部品リスク確認に「十分な時間が取れていない」と回答しました。
製造業の設計現場における部品リスク管理実態の調査イメージ
働き方改革による労働環境の改善は重要ですが、製造業ではサプライチェーンの不安定化も進んでおり、供給不安や廃番(EOL)への対応がより重要になっています。今回の調査は、その両立がどれほど難しいかを示す結果といえます。

調査で見えた、設計現場のリアルな悩み

まず、働き方改革の推進により「業務時間が減少した」と答えた人は27.3%でした。4人に1人以上が、以前よりも使える時間が減っていることになります。その人たちが現在感じている課題として多かったのは、次の2つです。
  • スキルやノウハウが属人化している
  • 人材が慢性的に不足している
  • 業務量に対して時間が足りない
特に「属人化」と「人手不足」が上位を占めており、個人の経験に依存した設計体制が、限られた工数の中でさらに負荷を高めていることがわかります。

約8割が「部品リスク確認の時間が足りない」と回答

注目すべきなのは、設計段階での部品リスク確認に関する結果です。働き方改革で業務時間が減少した設計・開発エンジニアのうち、78.0%が「十分に取れていない」または「全く取れていない」と回答しました。部品の廃番や供給不安を見逃せば、後工程で手戻りや設計変更が発生します。つまり、前工程での確認不足が、そのまま開発全体の遅延やコスト増につながるのです。

品質維持への不安と、後工程での手戻り増加

業務時間や工数の削減によって、製品の品質維持に不安や懸念を感じている人は64.5%にのぼりました。働き方改革そのものに反対というより、「品質を落とさずに同じ成果を出せるのか」という現場の切実な悩みが表れています。さらに、部品リスクの検証不足などに起因する後工程での手戻りや設計のやり直しが「増加した」と答えた人は38.2%でした。少数ではない割合で、実際に開発プロセスへ影響が出ていることがうかがえます。

現場が求める対策は「標準化」と「支援ツール」

限られた工数の中で品質を維持するために必要だと感じる施策として、最も多かったのは「社内ノウハウの共有や業務標準化の推進」でした。
  • 社内ノウハウの共有や業務標準化の推進
  • 設計・開発支援ツールの導入やアップデート
  • 開発スケジュールの見直し・適正化
この結果から、個人の経験に頼らない仕組みづくりと、確認作業を効率化するデジタル支援が求められていることがはっきりします。
製造業の設計・開発支援やリスク管理を示すイメージ

Z2Dataが目指す、設計初期のリスク低減

今回の調査を実施したKUMU Worksは、サプライチェーンリスク管理のデータプラットフォーム「Z2Data」を提供しています。10億点以上の電子部品データベースを活用し、設計初期の部品リスク検証を自動化できるのが特徴です。部品選定の早い段階でリスクを可視化できれば、設計変更や量産遅延を未然に防ぎやすくなります。働き方改革で時間が限られる今だからこそ、人の判断をデータで支える仕組みが重要になっているといえるでしょう。製造業の設計現場では、「残業を減らす」だけでなく、「少ない時間で品質を守る」ことが次のテーマになっています。標準化、ツール導入、スケジュール見直しを組み合わせながら、現場に無理のない改善を進めていくことが求められます。

参考記事

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000148887.html

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sorein

sorein 教育×ITフリーランス / 女性

小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。