ECカートシステムは、導入したら終わりではありません。むしろ本番運用が始まってから、サポート品質や改善スピード、費用対効果といった“実務のしんどさ”が見えてくるものです。
今回紹介する自主調査では、EC担当者199名のうち、77.8%が「構築時は手厚かったが、運用開始後に対応品質が下がった」と感じていることが分かりました。さらに、費用面では73.7%がコストを高いと回答しています。
この記事では、この調査結果をもとに、EC担当者がどんな点にストレスを感じているのか、そして今後のカート選定や運用体制づくりで何を意識すべきかを整理します。
調査で見えたのは「機能不足」よりも「運用体験への不満」
ECマーケティング株式会社の調査で特に印象的だったのは、単純な機能不足への不満よりも、改善を進めるための運用体験に課題が集中していたことです。
たとえば、ベンダーに対する不満として多かったのは「回答が曖昧」「見積もり根拠が不透明」「改善提案が少ない」といった声でした。つまり、EC担当者が求めているのは単なる作業対応ではなく、事業を前に進めるための伴走です。
- 回答が曖昧で判断しづらい
- 見積もりの根拠が分かりにくい
- 改善提案が少なく、前進感がない
- 運用開始後に対応が弱くなったと感じる
この結果からは、ECカート市場が「機能競争」から「運用品質競争」へ移りつつあることがうかがえます。
77.8%が感じた「運用開始後の対応品質低下」
調査では、「構築時はサポートが手厚かったが、運用開始後に対応品質が下がった」と感じたかを聞いたところ、77.8%が「強く感じる」「やや感じる」と回答しました。
この数字はかなり大きいです。導入前は営業担当やPMが丁寧に対応してくれたのに、稼働後は窓口対応中心になり、提案や改善の温度感が下がった——そんな経験が多くの企業で起きていると考えられます。
ECサイトは一度導入すると簡単には乗り換えにくいため、ベンダー側の対応が「少し物足りない」レベルでも、不満が蓄積しやすいのが特徴です。
73.7%が「費用は高い」と回答。問題は金額だけではない
ECカートの費用については、「非常に高い」「やや高い」を合わせて73.7%に達しました。ただし、ここで重要なのは、単に料金が高いという話だけではない点です。
担当者が感じているのは、「この費用でどこまで改善してもらえるのか分からない」「成果とのバランスが見えにくい」という不透明さです。保守費用、改修費用、運用支援費用が積み上がるほど、費用対効果への納得感が求められます。
つまり、価格そのものよりも、費用の妥当性が説明されないことが不満につながっているといえます。
カート変更が進まない理由は「高そう」だけではない
不満があっても、すぐにカートを見直せない企業は少なくありません。調査では、見直しをためらう理由として「費用が膨らみそう」が55.6%で最多でした。
さらに、カスタマイズの再構築、業務フローへの影響、売上減少リスクなど、ECならではの事情も大きな壁になります。ECカートは単なるツールではなく、受注、商品、在庫、販促を支える業務インフラです。
- 移行費用が読みにくい
- 既存のカスタマイズを作り直す必要がある
- 社内業務への影響が大きい
- 売上への悪影響が心配
そのため、「変えたいが動けない」という状態が生まれやすくなっています。
81.3%が「第三者支援会社がいた方がよい」と回答
今回の調査でもう一つ注目したいのが、81.3%が「自社とベンダーの間に立ってくれる第三者がいた方がよい」と回答している点です。
これは、ベンダーと担当者だけでは情報整理や調整が追いつかない、という現場感の表れでしょう。特にECでは、技術、運用、マーケティング、現場業務が複雑に絡み合うため、第三者の客観的な整理役がいると進めやすくなります。
いわば、PMO的な役割や“交通整理役”への需要が高まっているとも言えます。
EC担当者が本当に求めているのは「改善パートナー」
調査結果を総合すると、EC担当者がベンダーに求めているのは、単なる障害対応や作業代行ではありません。欲しいのは、事業課題を理解し、改善案を示し、透明性をもって伴走してくれる改善パートナーです。
特に、以下のような姿勢があるかどうかで、満足度は大きく変わりそうです。
- 回答が早いだけでなく、判断材料が揃っている
- 見積もりの根拠が明確である
- 改善提案が具体的である
- 運用開始後も伴走姿勢が変わらない
ECカートの競争軸は、もはや機能の数ではありません。運用品質・改善スピード・コミュニケーション品質が、選ばれる理由になっていくはずです。
まとめ:ECカート選びは「導入後」を基準に考える時代へ
今回の調査は、ECカート選びで見るべきポイントが、導入時の機能比較だけでは足りないことを示しています。
大切なのは、運用開始後にどれだけ誠実に、速く、分かりやすく対応してくれるかです。さらに、社内とベンダーの間を調整できる支援体制があると、改善が進みやすくなります。
もし今、EC運用で「話が進まない」「見積もりが分かりにくい」「改善が止まっている」と感じているなら、ツールの機能だけでなく、運用のパートナーシップそのものを見直すタイミングかもしれません。
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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。

