若手社員の育成は、多くの企業にとって重要なテーマです。特に人口減少が進むなかで、採用だけでなく「どう育てるか」が企業の成長を左右します。
リンクアンドモチベーションの調査では、上司から見た若手社員の傾向について、2015年から2025年までのデータをもとに分析が行われました。結果として、若手の強みと課題には、時期が変わっても大きな変化が見られないことがわかっています。
若手社員の強みは時代を超えて共通していた
調査で目立ったのは、若手社員の強みがコロナ前後や企業規模、業界によって大きく変わらなかった点です。たとえば、次のような項目が共通して高く評価されていました。
- アドバイスを素直に受け止める
- 周囲に気持ちよく対応する
- 最後までやり抜く姿勢がある
いずれも、職場で安心して任せられる印象につながる要素です。特別に派手な能力ではなくても、日々の仕事を着実に進める力が評価されているといえます。
一方で、課題も長く共通していた
課題についても、時期や業界によって大きな違いはありませんでした。上司の目線では、若手に対して次のような点が継続的に課題として挙がっています。
- 起こりうることを予測する力
- 会議で積極的に発言する姿勢
- あいまいな状態でも実行に移す力
- チャンスを積極的に活用する姿勢
つまり、受け身ではなく自ら動く力が求められていると読み取れます。若手社員には、安定した実行力だけでなく、状況を見て先回りしたり、手を挙げたりする主体性も期待されているようです。
企業規模で見ると、課題の出方に違いがあった
興味深いのは、企業規模によって若手社員の課題に差が見られた点です。小規模企業と大規模企業では、上司が感じる「足りない力」が少し異なっていました。
- 小規模企業では「効率的な取り組み姿勢」が課題になりやすい
- 大規模企業では「あいまいな状態での実行」や「チャンスの積極活用」が課題になりやすい
小規模企業では、一人ひとりが幅広い役割を担うことが多いため、限られた時間や人員のなかで効率よく動く力が重視されやすいのでしょう。一方で大規模企業では、組織が複雑なぶん、指示が明確でない場面でも前に進める力や、自ら機会をつかみにいく積極性が求められやすいと考えられます。
「最近の若手」という見方だけでは足りない
今回の調査から見えてくるのは、若手社員の傾向を世代論だけで語るのは十分ではないということです。確かに、若手の価値観や働き方への意識は変化しています。しかし、上司から見た強みや課題は、11年という長い期間でも大きくは変わっていませんでした。
そのため、育成を考えるときは「最近の若手はこうだ」とひとまとめにせず、企業の規模や事業環境、組織の成長ステージまで含めて捉えることが重要です。
同じ若手育成でも、小規模企業と大規模企業では必要な働き方が異なります。現場の実態に合わせて期待値を調整し、必要な行動を具体的に伝えることが、育成の精度を高める近道になるでしょう。
若手育成で意識したいポイント
この調査結果を踏まえると、若手育成では次のような視点が役立ちます。
- 強みは日常の行動として具体的に認める
- 課題は抽象的に伝えず、場面を示してフィードバックする
- 企業規模や部署の役割に応じて期待値を調整する
- 受け身になりやすい場面では、発言や提案の機会を意図的につくる
若手社員は、素直さや実直さといった強みを持つ一方で、状況判断や主体的な行動には伸びしろがあります。だからこそ、上司が一方的に評価するのではなく、仕事の中で成長につながる機会を設計することが大切です。
若手社員の傾向を理解することは、単なる世代分析ではありません。組織に合った育成のあり方を見直し、生産性やエンゲージメントを高めるための重要な手がかりになります。
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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。
