管理職と若手社員では、同じ職場にいても「理想の組織像」や「リーダーシップ」の捉え方が少しずつ違います。株式会社シェイクが実施した調査では、その差が数字としてはっきり表れました。
結論から言うと、管理職は成果を出すことや意思決定の責任を重視し、若手社員は助け合いや個性を活かし合う関係性を重視する傾向があります。ただし、両者の考えが大きく食い違っているわけではなく、うまく重なる部分も多くありました。
理想の職場像は、管理職と若手でどう違うのか
「最も働き続けたい理想の職場・チーム」について、管理職は「成果・価値を生み出し続ける職場」を最も重視しました。一方で若手社員は、「お互いに助け合ったり支え合ったりする職場」を最も重視しています。
この違いは、それぞれの立場が日々向き合っている課題の違いともいえます。管理職は部門目標や成果に責任を持つため、結果に目が向きやすいです。対して若手社員は、安心して働ける関係性や、周囲と協力しやすい空気を求めていると考えられます。
ただ、調査では多くの職場で「年次や役職に関係なく発言・行動できる」と感じている人が7割以上いました。さらに、個人の強みや個性が成果につながっているという認識も7割以上あり、現場には前向きな土台があることが分かります。
リーダーシップのイメージは「前に立つ」だけではない
「リーダーシップを発揮する」という言葉に対しては、管理職・若手ともに「先頭に立ってビジョンを示し、チームを導くこと」が上位でした。これは、多くの人がリーダーシップを“前に立って引っ張る力”として捉えていることを示しています。
一方で、「他者を動機づけ、後ろから支えること」も上位に入っていました。つまり、いまのリーダーシップは、単なるトップダウンではなく、支援しながら導くスタイルも含めて理解されているようです。
興味深いのは、管理職が「役職や権限を持ち、責任ある意思決定を下すこと」を挙げたのに対し、若手社員は「自分の強みや個性を活かし、周囲を感化すること」を重視していた点です。ここには、リーダー像の世代差が見えてきます。
管理職はどこまで任せたいのか
管理職に「部下との判断の境界線」を尋ねたところ、多くが「方針とプロセスは管理職が決め、部下はそれに沿って動く」スタイルを理想としていました。また、部下の提案を尊重しつつも、最終承認は管理職が行う形も支持されています。
つまり、完全に丸投げするのではなく、管理職が枠組みをつくったうえで、部下に挑戦の機会を渡すイメージです。これなら、責任の所在があいまいにならず、若手も安心して動きやすいでしょう。
実際に管理職が行っている支援としては、「失敗を許容し、挑戦を促す」「権限委譲し、仕事を任せる」「成功体験をさせる」が上位でした。育成のポイントは、任せるだけでなく、失敗できる余白と成功につながる伴走をセットで用意することにありそうです。
若手はどんな場面でリーダーシップを発揮しやすいのか
若手社員の約7割は、「役職にかかわらず、自分が主体となって課題解決に動くべき」と考えていました。さらに、リーダーシップを発揮しやすい場面としては、次のようなチーム内の取り組みが挙がっています。
- 職場メンバー同士の助け合い、学び合いの促進
- チームの雰囲気や職場風土への影響力発揮
- 業務改善や生産性向上の推進
ここで注目したいのは、これらの項目が管理職側の「若手に期待したい役割」とも一致していることです。現場を良くするための働きかけは、管理職と若手の意識が噛み合いやすい領域だといえます。
一方で、若手に「中心となって進めてほしい」と伝えた場合の反応は一様ではありません。最も多かったのは「業務量の調整や具体的なサポートがあれば挑戦したい」という回答でした。
続いて、「上司から信頼されていると感じる」「裁量や自由が増えてやりがいを感じる」が並びます。若手の意欲を引き出すには、サポート、信頼、裁量の3つをどう組み合わせるかが重要です。
これからのマネジメントに必要なのは「個に合わせた支援」
今回の調査から見えてきたのは、管理職と若手の間に明確なギャップがある一方で、うまくつながる接点も多いということです。特に、若手は「自分から課題解決に関わりたい」という意欲を持っており、現場の改善や雰囲気づくりにも前向きです。
だからこそ、これからの組織運営で大切なのは、一律に任せることでも、逆に細かく管理し続けることでもありません。若手一人ひとりのタイプや不安のポイントを見極め、必要な支援を変えていく多角的なマネジメントが求められます。
失敗を許容し、対話を重ねながら、少しずつ任せる範囲を広げていく。そうした伴走型の関わり方が、若手のリーダーシップを引き出し、結果として組織全体の力を高めていくはずです。
トップダウン型から、メンバー全員が状況に応じて力を発揮するシェアド・リーダーシップへ。今回の調査は、その変化がすでに現場で始まっていることを示していると言えるでしょう。
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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。

