イプソス株式会社が公開した「イプソスAIモニター2026」は、世界32か国を対象に、人々のAIに対する意識や日常生活への影響を調べたグローバル調査です。日本では、45%の人が「AIを活用することで日常生活が大きく変わった」と回答しており、すでにAIが身近な存在になりつつあることがうかがえます。
一方で、AIに対する印象は一枚岩ではありません。期待が高まる一方で、不安や慎重な見方も根強く、今後の普及に向けては利便性とリスクの両面をどう捉えるかが重要になりそうです。
日本人はAIに「期待」が上回る傾向
今回の調査で注目されるのは、日本ではAI製品やサービスに対して「ワクワクする」と答えた人が47%だったのに対し、「不安を感じる」と答えた人は31%にとどまった点です。つまり、AIに対する印象は不安よりも期待がやや優勢という結果でした。
とはいえ、AIを歓迎する声が強いだけではありません。「AIを活用した製品やサービスにはデメリットよりもメリットが多い」と明確に考えている人は50%で、半数にとどまっています。多くの人がAIの可能性を感じつつも、導入や利用には慎重さを残していることが分かります。
生活への影響は、これからさらに広がる見通し
AIが日常生活に与える影響については、すでに実感している人が一定数います。日本では「過去3~5年の間に自分の日常生活を大きく変えた」と答えた人が45%でした。さらに、「今後3~5年の間に大きく変えるだろう」と答えた人は64%にのぼり、将来への期待値はさらに高くなっています。
この結果からは、AIがすでに生活の一部に入り込みつつあり、今後は買い物、情報収集、学習、コミュニケーションなど、より多くの場面で存在感を増していく可能性が見えてきます。
世界全体では、地域によってAI観が大きく異なる
世界32か国の平均では、54%が「AIを活用した製品やサービスが過去3~5年の間にすでに自分の生活を変えた」と回答しました。また、66%が「今後3~5年でAIが日常生活にさらに大きな影響を与える」と予測しています。
ただし、AIへの受け止め方は地域差が大きく、アジアやラテンアメリカではAIの利点を前向きに見る傾向が強い一方、ヨーロッパや北米では不安を感じやすい傾向が見られました。AIの普及スピードは世界共通でも、受け入れ方には文化や社会背景の違いが反映されているようです。
仕事の効率化では、若年層と高所得層が恩恵を実感
仕事面では、32か国の労働者の62%が「過去12ヶ月間でAIによって業務時間が短縮された」と回答しました。AIは単なる話題ではなく、実務の効率化にすでに役立っていることが分かります。
特に高所得層では70%が時間短縮を実感しており、中所得層の60%、低所得層の54%を上回りました。また、世代別ではZ世代が68%、ミレニアル世代が65%と高く、X世代の57%、ベビーブーマーの46%よりも恩恵を強く感じていることが明らかです。
AIの恩恵と環境負荷、どう考えるべきか
AIの発展には利便性だけでなく、環境への影響もつきものです。日本では46%が「社会にとってのAIの恩恵が、環境への負担を上回る」と回答し、否定的な見方の31%を上回りました。
AIは電力消費やデータセンターの負荷といった課題も抱えていますが、それでも社会全体の便益を重視する声が多いことは示唆的です。今後は、AIを使うほどに環境負荷への配慮も欠かせなくなっていくでしょう。
今回の調査から見えるポイント
- 日本ではAIに対して「期待」が「不安」を上回っている
- 日常生活への影響は、今後さらに大きくなると見られている
- 仕事の効率化では、若年層や高所得層で恩恵が強い
- AIの利便性を評価しつつ、環境負荷には一定の懸念がある
- 地域や世代によってAIへの受け止め方に差がある
AIはすでに「使うかどうか」を考える段階から、「どう使いこなすか」を考える段階へ移っています。今回の調査は、その変化を数字で裏づける内容と言えるでしょう。
今後は、AIの便利さに注目するだけでなく、情報の正確性、セキュリティ、環境負荷といった論点も含めて、よりバランスの取れた視点で向き合うことが大切になりそうです。
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この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。