Ptmindは、Mac上で動作するローカルAIパートナー「Kocoro(ココロ)」のベータ版提供を2026年6月3日から開始しました。単に質問に答えるだけでなく、仕事の文脈を覚え、前回の続きから自然に作業を進められる点が大きな特徴です。
AI活用が広がる一方で、「毎回同じ説明をし直すのが面倒」「社内データをクラウドに置くのは不安」と感じる人も少なくありません。Kocoroは、こうした課題に対して記憶とローカル実行を軸にした新しいアプローチを打ち出しています。
Kocoroの最大の特徴は「記憶するAI」であること
Kocoroが向き合うのは、AIの「賢さ」そのものではなく、「記憶」の問題です。多くのAIは性能が高くても、使うたびにプロジェクトの背景や前回の判断を説明し直す必要があります。Kocoroはその手間を減らし、専有記憶によってユーザーごとの文脈を保ち続ける設計です。
その仕組みとして、Kocoroはその日の出来事を「理解グラフ」として蓄積します。会話履歴をそのまま保存するのではなく、プロジェクト、関係者、判断、好み、やり残したタスクなどを整理し、次の行動に必要な情報だけを結びつけて残します。これにより、前日の続きからスムーズに作業を再開できます。
Ptengineで培った「顧客理解」をAIの実行へつなげる
Ptmindは、Web体験最適化プラットフォーム「Ptengine」を通じて15年以上、顧客理解の技術を磨いてきました。世界184カ国・20万社以上で使われてきた実績を背景に、今回のKocoroでは、その知見を「判断と実行」に広げています。
つまり、Ptengineが「顧客を理解する」ためのプロダクトだとすれば、Kocoroは「理解に基づいて動く」ためのプロダクトです。マーケティングから経営判断まで、顧客理解を組織全体の競争力へとつなげる狙いが見えてきます。
Mac上で実際に動くAIエージェントとしての使い道
Kocoroは、記憶を持つだけのAIではありません。Mac上で実際に動作するAIエージェントとして、日々の業務を任せられる機能を備えています。
- Slack、LINE、Larkなどのチャットから呼び出せる
- 毎朝のニュース要約や定期レポートをスケジュール実行できる
- HTML、PDF、画像、Zip形式で成果物を共有できる
- 実際のChromeを操作してブラウザ作業を代行できる
- 表データから資料やグラフを自動生成できる
- Notion、GitHub、Google DriveなどとMCPネイティブで連携できる
- Skillを追加して機能を拡張できる
こうした機能があることで、単純作業や繰り返しの確認作業をAIに任せ、人は企画や意思決定に集中しやすくなります。
データを手元に置ける安心感も大きい
Kocoroはローカル実行を前提に設計されており、理解グラフやファイル、ブラウザ情報は原則としてMac内に保管されます。クラウドに送信されるのは、AIが推論するために必要なその都度の対話内容のみです。
さらに、コア部分はオープンソースで公開されています。ブラックボックス化しやすいAIサービスとは異なり、何をしているのかを確認しながら使える点は、業務利用で大きな安心材料になりそうです。
料金と提供概要
Kocoroは無料枠付きで始められ、月額固定制が採用されています。予期せぬ追加課金が発生しにくい点も、導入しやすさにつながっています。
- 製品名:Kocoro
- 提供開始:2026年6月3日(ベータ版)
- 対応OS:macOS 15以降
- 料金:Free $0/月、Pro $39.5/月、Max $149.5/月
- 課金方針:月額固定制
- 特徴:毎月のトークン枠付き、Anthropic APIキーやOllamaの持ち込みも可能
ベータ版の段階から試せるため、Mac中心の業務環境でAIを活用したい人にとっては、導入検討のハードルが比較的低いプロダクトといえます。
「脳」だけでなく「心」を持つAIへ
開発を率いたWayland Zhang氏は、AIに必要なのは賢い「脳」だけではなく、ユーザーを理解し続ける心だと語っています。AIが人の作業を代行する時代だからこそ、単発の回答よりも、文脈を覚え、関係性を保ちながら寄り添う設計が重要になってきます。
Kocoroは、まさにその方向性を体現するプロダクトです。AIに仕事を任せたいけれど、情報管理や文脈の引き継ぎに不安がある。そんな人にとって、Kocoroは新しい選択肢になるはずです。
AIに求められるのは、答えの速さだけではありません。人の状況を理解し、昨日の続きから自然に動けること。Kocoroは、その一歩先を目指すMacネイティブAIパートナーとして注目を集めそうです。
参考記事

この記事が気に入ったら
フォローをお願いします!
この記事を書いた人Wrote this article
sorein 教育×ITフリーランス / 女性
小〜高校教員として勤務し、製造業の社内SEを経験して教育×ITフリーランスになったsoreinです!教員免許や基本情報技術者、応用情報技術者、DBスペシャリストの資格を取得しています!ITニュースや技術書を読むのは趣味みたいになっています。


